ノンフィクション「ビンゴゲーム」

近所(というか、家の真ん前)の夏祭りでビンゴゲームをした。
最初は7個中4個も当たってなかなかの滑り出しだったのだが、
その後がとんでもなく不調で、20個中3個ぐらいしか当たらなかった。
そうこうしているうちにどんどん当選者が出てみるみる
景品の等級が下がっていく。これはまずい。
そのとき、景品が残り7個というアナウンスが。
次の番号が告げられ続々と現れる当選者。
「・・・残り一つです」助かった。が、どう考えても次で最後だ。
リーチは2本。確率は20分の1といったところだろうか。
絶対に。絶対に勝たねば・・・!
そして最後の数がコールされる。
………
………
………
外れた。
見事に外れてしまった。
ショックに打ちひしがれていると、
近くで「当たった」という声がした。
そばに居た母がビンゴになっている。
どうやら4重リーチぐらいになっていたようである。
行ってきな、ということなのでありがたくチャンスを賜り、
かくして私は最終決戦の場に赴くこととなった。


当選者は私を含め7人。子供3人、おばさん3人。そして私。
この中で景品をもらえるのはただ一人、厳しい戦いである。
そして始まるじゃんけん勝負。
「さ〜いしょはグー、じゃ〜んけん」
チョキ!
勝った。
基本的に人間は前回よりも強い手を出したがるようである。
チョキを出しておけば負けることは無いと思ったが、やはりそうであった。
ここで子供3人とおばさん一人が脱落。
やはりお子様の心理は単純であった。
二回戦。
「じゃ〜んけん」
グー!
勝った。おばさん一人が脱落。
さすがにもう一人は出す手を変えてきた。
なかなかの強敵である。心してかからねばならない。
そして決勝戦。ここまで来たからには絶対に景品を持ち帰らねばなるまい!!
「じゃーんけん」
チョキ!
「あーいこで」
グー!
「あーいこで」
パー!
「あーいこで」
パー!


そして運命の一瞬。
「あーいこで」
チョキ!
…負けた。負けてしまった。
どうしてあそこでチョキを出してしまったのか。
悔やんでも悔やみきれない。
プレッシャーに負けてしまったとしか言いようがない。
そうなのだ。私はプレッシャーにめっぽう弱い。
パーが二回連続した時点で私の負けは決まっていたのかもしれない。


…かくして私のビンゴゲームは終わった。
私に勝った人が「8等賞」の景品をもらうのを横目に、
後でその中身が「石鹸何個か」だったことを知った。