埼玉探訪記

tanakh2008-04-06


なんだか最近文章を書いては捨て書いては捨てしていたので、なかなかブログを更新できないのですが、せっかく休みがあったのにそれでは寂しいので、春の出来事でも書いておきます。


先日修士号をいただき、無事に卒業したのですが、その少し前のことです。卒業旅行とか行かないの?と言われて、ああ、そういう習慣もあったかね、としばし黙考し、それじゃまあせっかくだから行こうかな、ということで、そういうことになりました。とはいえ、前回の卒業旅行は"京都"(2006年3月頃の日記を参照)だったので、そこは推して図るべき。


前から少し行ってみたい場所がありました。といってもそんなに遠い場所ではありませんが。埼玉です。勘の良い方はそれが何を意味するのかお分かりになってしまうかもしれません。要するにそういうことです。でもそれはあえて言いますまい。そうでなくとも、東京に越してきてからこんなに目と鼻の先にありながら、私は埼玉にはまだまともに足を踏み入れていませんでした。今回少しだけ何かのスキマが埋められたような気がします。


そんなわけで、三月のある週末、埼玉へと旅立ちました。まず初めに大宮に行きました。大宮はうちの最寄り駅からとても接続の良い所だったので、出発して1時間程度で着きました。近くに氷川神社というのがあるらしいので、とりあえずそこに行くことにしました。


結構駅から近いところにあって、すこし歩くとすぐに長い長い参道が見えてきました。歩いている途中に妙な格好をした集団と遭遇しました。なにやら近くでサッカーの開幕戦をやっていた模様です。


そして、神社に到着。参拝してから、大宮公園を散策しました。なかなか落ち着いた雰囲気で良い感じでありました。公園に弓道場があって、ちょうど最中だったので、しばし見学しました。こういうのを見るのは初めてだったのですが、なんだか独特の緊張感があってよいですね。


のんびりしていたら夕方になりました。明日に備えて、大宮駅付近でホテルを探してそこに泊まることにしました。別に家には一時間あれば帰れるのですが、やはり一泊しないと旅の雰囲気は出ません。ホテルで一息ついて、近くの温泉を探して、そこに向かいました。温泉に浸かるというのも国内旅行では不可欠です。その日はのんびり温泉に浸かって終了しました。


さて、一夜明けていよいよお目当ての場所へ出発です。電車で鷲宮駅へと向かいました。


駅にとても大雑把な手書きの鷲宮神社への地図がありました。やはり観光客は多いのだろうか。その地図のとおりに歩いていくと、お馴染みの景色が見えてきました。


本当に来たのだなあ、と暫し感慨に耽ります。中にはいるとすぐに絵馬掛け所が見えてきました。


いろいろな報道などで見知っていましたが、やはり実物を見ると圧倒されます。正五角形の絵馬は学業成就のもののようですが、その他の絵馬はご覧のとおりで、非常に興味深い状態になっていました。


その脇を通過し、まずは本殿に参拝しました。残念ながら何か工事中なのか、正面からの様子は伺えませんでした。賽銭とともに神に願いを託し、さらに神社の奥へと進んでいきます。神社の奥は林のようになっていて、そこにも幾つか祠がありました。道が入り組んでいて、うろうろしていると迷いそうになりましたが、深さ優先探索でもって事なきを得ました。境内の片隅に鳥小屋みたいなものがあって、中にはとても大きいカラフルな鳥が数羽いました。すごいのを飼っているのだなあ。


そして一通り見て回って、ついに今回の私の役割を果たす時が来ました。ここまで来て、書かずに帰れるか?否です。まずは、社務所で絵馬を購入します。ぷぷぷ、またオタクがきたよ、せいぜいオタッキーな絵でも書いて行きな、とか巫女さんに思われるんではないかと日和りかけましたが、そこは旅の恥は掻き捨てで、なんとか購入して絵を書くことが出来ました。そして、


その成果がこれです。新社会人らしく僭越ながら、会社の繁栄を祈願させていただきました(ご存知の方もいるかもしれませんが、PFIというのは私がこの4月から正社員として働いている会社です。 http://www.atmarkit.co.jp/news/200803/24/pfi.html この様な会社のようです。社長のおっきいお写真も載っています)。右のイラストは"ラムダ猫"と呼ばれているもので、PFIの非公式キャラクターです。ホワイトボードにかかれたラムダの文字がいつの間にかこの様な猫の姿になったのだとか。決して"入る"猫ではないのでお間違いなきよう。


さて、一仕事終えてちょうど良い時間になったので、前の茶店で昼食を食べることにしました。と思いましたが、ちょうど私が入ろうとしたときになんだかそれっぽい三人組が入って行って、土産物を買おうとしていたので、店の前でくるくるまわりながらいたって自然に時間を潰して彼らが出てくるのを待ちました。やっぱりちょっと気まずいですよね。


店の前にこの様なオブジェが置いてありました。本当にここなんだなあと、ちょっと嬉しくなりました。新聞の切り抜きが置いてあって、なんだか住民票が4月いつだったかから発行される云々と書いてありました。そう言えばもうすぐではなかったかしら。しかし、こういうのを発行してもらいにくる人がいるのだろうか。私は欲しいですが。


さて、いよいよ店に入りました。店内はふつうの民家のような感じでどこか懐かしい雰囲気があります。部屋の中に三つほど机が置いてあって、先客が四人二組ほど居ました。片方は普通の参拝客のような感じで、もう片方は地元の人の用な感じです。あれ、意外とそういう人たちはこないのかな。と思いつつも、置いてあるものを見るとやっぱりここが"そこ"であることが分かります。三つの机それぞれには漫画とガイドブックと同人誌が置いてあり、押入れ?のようなところには声優のサインや原作者のイラストなどが飾られたりしていました。それらはいかにもそこに自然に存在していましたが、この店は去年のある日このように様変わりしたわけでありますので、そうなった経緯とか、常連客の反応などにとても興味が沸きました。でもとりあえずその疑問は胸にしまい、注文することにしました。メニューもこれまた完全に侵食された代物でありました。私は"こなたぬきそば"なるものを頼みました。こなたぬきそばはどうやら普通のたぬきそばのようです。そばを食べていると、他の客がやってきました。二人組で、春休み中の大学生風、どうみても同類です。やはりそういう客も来るのだなあと、少し安心しました。蕎麦はなかなか美味でありました。食べ終わってほっこりしながら、これからどうするかを置いてある本を見ながら考えました。物語の舞台となった場所を紹介している本があったので、それで近そうな所を探します。読んでいる最中、もう一組二人連れが来ました。彼らはバルサミコ酢なんとかというものを頼んでいるようでした。積極的ですね。そうこうして、そばのつゆも飲み干したので店を後にしました。次は春日部に向かうことにしました。


またも良く見た光景が広がって居ました。駅前の雰囲気はまさに劇中のもので、非現実が現実になったような不思議な気分でした。


春日部に来たはいいものの、どうするか考えていなかったので、とりあえず駅付近をぐるぐると歩いてみました。駅前から舞台となった高校に向かうバスが出ているみたいなので、そこに行ってみることにしました。なにやら近くに温泉もあるようなので、ついでにそこにいけば一石二鳥です。


ちょっと時間を潰して、バスに乗り込み、バスにゆられることしばし、高校前に着きました。降り立ったそこは、ネギ畑が広がっていました。思ったより田舎です。独特な形をした校舎はすぐに見つかりました。ここに通っているのかあ。などとまたも不思議な気分に浸りながら、特にそれ以外にすることが無いので温泉に向かいました。


温泉はすぐ近くにありました。温泉にゆっくり浸かって旅の疲れを癒しました。といってもそんなにいろいろ回ったわけでもありませんが。二日連続で温泉に入ったからか、ちょっとのぼせてしまいました。ロビーでゆっくりしてから、帰路に着きました。


こうして、ささやかなる埼玉旅行は終わりました。総じて、なかなか良い所だったと思います。特に鷲宮神社付近はとても雰囲気の良いところでした。また機会があったら参拝したいかと思います。次は良縁でも祈願しましょうか。