歳をとった

なんだかんだでもう23歳にもなってしまった。
世間的には大抵すでに働いている歳のようで、
あそこの子はどこそこに就職したとか
なんとかさんは子供の初任給でなんかしてもらったとか
いろいろとそのようなうわさを又聞きしていたりもするのだが、
普段私が身をおいている世界にはそのような雰囲気はとんと無く、
このような環境がむしろ当たり前のように感じられてしまうのは
きっと私の感覚がすっかりおかしなものになってしまっているのだろうと
そんな風に感じた。


とは言いつつも、このままの生活があと二年は続く道を選んだので、
来年以降もそのような世界に身をおくことになる。
それで、来年の身の振り方をいよいよ決定した。
東京に行くことにした。
何かの本で読んだのだが、別の世界を見ておくのも悪くないと思った。
今の自分にウンザリしているというのもある。
力が無いわけではないはずなのに、
ひたすらくだらないことに時間をつぶしてしまったり、
能力を伸ばしたいのに何もできていない、
そんな自分が嫌で嫌でたまらない。
環境の変化が私に何かをもたらしてくれるのではないのかと淡い期待を抱く。


先のことを考えるといつも暗い気持ちになる。
高校時代は自分の脳のピークが20歳ごろになると信じていたので、
それまでになにかすごいことをやりたいとずっと思っていた。
実際のところこの歳になって脳の衰えは感じる。
それは一時的に覚えることのできる事柄の数であったり、
会話中の言葉のつっかかりであったり、
新しいことを理解するスピードであったり、いろいろだ。
ではなにかすごいことがこれまでにできたか?
いいや、できていない。
できていていたかったことはそれこそいくらでもあるが、
なかなかに思ったとおりには行かない。
じゃあ、私はこれから一体なにができるのだろうか。
これまでだって大したことができていないのに。
−−− 将来の展望は果てしなく暗い。